【ネタバレ】たつき諒の2025年7月の予言「本当の大災難」とは何?外れた・当たった予言一覧まで徹底調査!

私が見た未来 完全版

2025年6月29日、夏の訪れとともに日本社会は一つの大きなうねりの中にいます。それは、漫画家・たつき諒さんが自身の著書で示した「2025年7月に本当の大災難がやってくる」という、あまりにも衝撃的な予言をめぐるものです。書店では特設コーナーが設けられ、SNSでは「#2025年7月」というハッシュタグが連日トレンド入りするなど、この予言は単なる都市伝説の域をはるかに超え、一種の社会現象と化しています。

「東日本大震災の3倍規模の津波」「発生日は7月5日午前4時18分」――。こうした具体的でセンセーショナルなキーワードがインターネットを通じて瞬く間に拡散され、人々の潜在的な不安を掻き立てています。しかしその一方で、作者自身が新刊で「日付は確定ではない」と軌道修正を行うなど、情報は錯綜。さらに、この一大ブームの裏には、出版社の商業的戦略、編集長の特異な経歴、そして旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)といった特定の宗教団体との関係性を指摘する声まで上がり、謎はますます深まっています。これは果たして、天からの警告なのでしょうか。それとも、巧妙に仕掛けられた情報戦略なのでしょうか。

本記事は、芸能や時事を扱うジャーナリストとして、この混沌とした状況を多角的に分析し、読者の皆様が冷静な判断を下すための一助となることを目指します。いたずらに恐怖を煽るのではなく、この現象を冷静に読み解き、私たち自身の「備え」に繋げることが、今最も求められているのではないでしょうか。この記事を読めば、以下の全ての疑問が解消されます。

  • たつき諒さんが夢で見た「2025年7月」の具体的なシナリオとは何か?(ネタバレあり)
  • なぜ「7月5日」説が広まり、そして作者はなぜそれを修正したのか?
  • 東日本大震災など「当たった予言」と「外れた・デマとされる予言」の信憑性を徹底比較・検証します。
  • ブームの仕掛け人とされる出版社「飛鳥新社」と編集長「花田紀凱」氏の正体に迫ります。
  • ネットで囁かれ続ける、花田氏と旧統一教会・幸福の科学との関係性の噂を、客観的な事実から考察します。
  • この予言ブームをどう受け止め、私たちは具体的に何をすべきかを提案します。

未来への不安を、未来への備えに変えるために。情報の渦に飲み込まれる前に、まずはその全体像を掴むことから始めましょう。

目次

1. たつき諒さんの2025年7月予言、その驚愕の内容とは一体何?

たつき諒 予言 PR TIMES
たつき諒 予言 PR TIMES

日本中が固唾をのんで見守る「2025年7月大災難」説。その震源地は、間違いなく一冊の漫画にあります。たつき諒さんによる『私が見た未来 完全版』――。この本がなぜこれほどまでに人々の心を捉え、社会現象を巻き起こすに至ったのか。その根源である予言の具体的な内容と、それが持つ意味について、ここではネタバレを含め、徹底的に深掘りしていきます。単なる夢物語で終わらない、そのリアリティの秘密に迫ります。

1-1. 漫画『私が見た未来』で示唆された「本当の大災難」の描写【ネタバレ】

2021年10月に飛鳥新社から出版された『私が見た未来 完全版』。その表紙を開く前から、読者は強烈なメッセージに目を奪われます。帯に記された「本当の大災難は2025年7月にやってくる」という一文は、この本が単なる復刻版ではないことを明確に示していました。

本書の核となるのは、作者たつき諒さんが1985年から30年以上にわたり記録してきた「夢日記」です。彼女は見た夢が現実の出来事と符合することが度々あったため、その記録を続けてきたといいます。その中でも、2025年7月に起こるとされる災害の夢は、これまでのものとは一線を画す、地球規模の大異変を示唆する内容でした。

著書の中で描かれているのは、「巨大津波」「海底火山の爆発的な噴火」「それに伴う大規模な地形変動」といった、まさに破局的なビジョンです。これらが具体的なイラストと共に示されているため、読者は抽象的な予言以上の生々しい恐怖を感じることになります。

この予言が爆発的な関心を集めた最大の理由は、その「前科」にあります。1999年に朝日ソノラマから刊行された旧版『私が見た未来』は、長らく絶版となり、知る人ぞ知る存在でした。しかし、その表紙に「大災害は2011年3月」と明記されていたことが、東日本大震災後にネットの口コミで発掘されます。ネットオークションでは一時期、数十万円というプレミア価格で取引されるほどの過熱ぶりを見せ、「あの震災を予言した漫画がある」という噂が、今回の2025年予言への絶対的な下地を形成したのです。かつて日本中を席巻した『ノストラダムスの大予言』が曖昧な詩の解釈に委ねられていたのに対し、たつき諒さんの予言は「2011年3月」という具体的な記述があった点で、より強烈なリアリティを持って人々に受け止められました。

1-2. なぜ「2025年7月5日午前4時18分」という具体的な日時が浮上したのか?

多くの人々がカレンダーに印をつけたであろう「2025年7月5日午前4時18分」。このあまりにも具体的な日時は、どこから来たのでしょうか。この情報の出所は、『私が見た未来 完全版』の最終盤、「作者あとがき」に記された一文にあります。

たつき諒さんは、この大災難の夢を記録した日時を「2021年7月5日午前4時18分」と明記しています。その上で、彼女は自身の予知夢のパターンとして、過去にフレディ・マーキュリーの死を夢で見た際、その夢を見た日付(11月24日)と彼の命日が一致したという経験則に触れています。この経験に基づき、彼女は次のような仮説を立てました。

「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」

この「~ならば」という仮定法で書かれた一文が、インターネット上で拡散される過程で、いつの間にか「~である」という断定的な情報に変化してしまったのです。私自身もジャーナリストとしてこの現象を追う中で、多くの人々がこの日付を確定情報として語っているのを目の当たりにしました。これは、情報が人々の不安や期待というフィルターを通して伝播する際に、いかに容易にそのニュアンスが変容し、切り取られてしまうかを示す典型的な例と言えます。原典にあたることの重要性を改めて痛感させられる事象です。

1-3. 東日本大震災の3倍規模とされる津波の具体的な内容とは?

この予言が持つ破壊力の中核をなすのが、「東日本大震災の3倍規模」とされる津波の描写です。この言葉が持つインパクトは計り知れません。私たちは2011年3月11日の悲劇を鮮明に記憶しており、その「3倍」という表現は、想像を絶するカタストロフィを想起させます。

具体的に比較してみましょう。東日本大震災において、気象庁が観測した津波の最大の高さは岩手県大船渡市綾里での40.1mでした。その3倍となれば、実に120mを超える巨大津波となります。これは、高さ333mの東京タワーで言えば、地上150mにあるメインデッキに迫るほどの高さです。そんな津波がもし現実に押し寄せれば、沿岸部の都市機能は完全に破壊され、日本の地形そのものを変えかねません。

さらに興味深いのは、その発生メカニズムです。予言では、原因は「日本とフィリピンの中間あたりの海底がボコンと破裂(噴火)」したことによるとされています。これは、日本で警戒されている南海トラフ巨大地震のようなプレート境界が滑ることによる地震性津波とは異なります。むしろ、海底火山の大規模噴火によって引き起こされる「火山性津波」を強く示唆しています。

この予言に奇妙なリアリティを与えているのが、2022年1月に南太平洋で発生したトンガ沖海底火山の大噴火です。この噴火では、噴煙が成層圏に達するほどの爆発が衝撃波(気圧波)を生み、約8000kmも離れた日本にまで1mを超える津波をもたらしました。地震を伴わずに津波が到達するという事態は、多くの専門家にとっても想定外であり、火山性津波の脅威を世界に知らしめました。この現実の出来事が、たつき諒さんの予言を単なる空想ではないかもしれない、と思わせる強力な裏付けとして機能しているのです。

1-4. 日本とフィリピンが陸続きに?地形変動の予言を科学的視点で考察

たつき諒さんの予言の中で最も壮大で、同時に最も非現実的とされるのが、地形変動に関する描写です。彼女の夢の中では、巨大津波の衝撃によって海底が大きく隆起し、なんと「香港から台湾、そしてフィリピンまでが地続きになる」という、文字通り天変地異が起こるとされています。

この点について、社会学者の古市憲寿さんは、自身のコラムで地球物理学的な観点から明確に否定しています。彼が指摘するように、観測史上最大級の地殻変動を引き起こした東日本大震災ですら、海底の隆起は最大で約7mでした。一方で、例えば台湾とフィリピンの間のルソン海峡の最も浅い部分でも水深は約2500mあります。これを地続きにするには、数千メートル規模の隆起が必要となり、これは一度の地殻変動で発生するエネルギー量を遥かに超えています。数百万年単位のプレート運動で起こるような変化であり、一瞬の出来事として起こることは科学的にあり得ません。

また、地震予知研究の権威である東海大学客員教授の長尾年恭氏も、予言が示す「日本とフィリピンの中間」海域には、このような巨大噴火を引き起こす活発な火山帯や、巨大地震を発生させるプレート境界が存在しないと指摘しています。つまり、科学的な観点から言えば、この予言が現実のものとなる確率は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。

しかし、なぜこのような非科学的なビジョンが人々を惹きつけるのでしょうか。私は、この地形変動の予言こそが、たつき諒さんの夢の本質を「象徴的なビジョン」として示しているのだと考えています。これは物理的な変化の予知というよりも、大災害によって既存の世界秩序や国家間の関係性が根底から覆される、という精神的なレベルでの「激変」を象徴しているのではないでしょうか。科学的なリアリティを超えた壮大なスケールこそが、人々の潜在的な終末観や変革への願望を刺激し、この予言に抗いがたい魅力を与えているのです。

2. 新刊『天使の遺言』で明かされた真実と作者の本当の意図【ネタバレ】

『私が見た未来 完全版』が予言書として独り歩きし、社会がその解釈に揺れる中、作者のたつき諒さんは沈黙を破りました。2025年6月15日に自費出版という形で世に問われた自伝『天使の遺言』。この一冊は、予言ブームに対する作者自身からの「回答」であり、これまで散逸していた情報を整理し、彼女が本当に伝えたかったメッセージを理解するための、最も重要なテキストです。ここでは、この新刊で明かされた衝撃の事実を、ネタバレを含めて詳しく解説します。

2-1. 「7月5日」説を軌道修正?たつき諒さん本人が語った日付の真相

多くの人々が固唾をのんで待ち構えていた「2025年7月5日」という具体的な日付。この日付は、予言の信憑性を担保する最大の要素であると同時に、人々の不安を最も掻き立てる要因でした。しかし、『天使の遺言』の中で、たつき諒さんはこの日付について、明確な軌道修正を行っています。

彼女は、なぜ『私が見た未来 完全版』のあとがきで「7月5日」に言及したのか、その経緯を次のように説明しています。

「『私が見た未来 完全版』の「作者あとがき」で、「次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と書いていたのは、過去の例から「こうではないか?」と話したことが反映されたようで、私も言った覚えはありますが、急ピッチでの作業で慌てて書かれたようです」

そして、最も重要な点として、「夢を見た日=何かが起きる日というわけではないのです」と、世に広まった解釈をはっきりと否定したのです。これは、社会現象化していた「7月5日」説の根拠を、作者自らが取り下げたことを意味します。彼女の真意は、あくまで「2025年7月」という広い期間に何らかの大きな変動が起こる可能性を夢で見た、という点にあり、特定の日を予言したわけではない、ということです。この軌道修正は、予言ブーム全体の前提を覆す、非常に大きな意味を持つものとなりました。

書籍「2025年7月5日」に関する記述・ニュアンス
『私が見た未来 完全版』 (2021年)あとがきにて「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と、可能性として言及
『天使の遺言』 (2025年)「夢を見た日=何かが起きる日というわけではないのです」と明確に否定。出版社の意向や急な作業の中で書かれたニュアンスを説明。

2-2. 予言が一人歩きした現状への苦悩と「なりすまし」の存在

『天使の遺言』で赤裸々に語られているのは、自身の意図とは無関係に予言がセンセーショナルに消費されていくことへの深い苦悩です。そもそも1999年に漫画家を引退していた彼女が、22年の時を経て再び表舞台に姿を現さざるを得なかった背景には、悪質な「なりすまし」の存在がありました。

2020年頃から、SNSやYouTube、さらには週刊誌『FRIDAY』や月刊誌『ムー』といったメディアの取材にまで応じる「偽のたつき諒」が出現します。この人物は、「2021年8月20日に富士山が噴火する」「尾崎豊の死を予言していた」など、本人が言ってもいない虚偽の情報を次々と発信し、世間の注目を集めました。

最も衝撃的なのは、この「なりすまし」によって、『私が見た未来』の復刻版を出版する計画が、たつき諒さん本人に無断で進められていたという事実です。親戚からの連絡でこの事態を知ったたつきさん本人が、急いで出版社(飛鳥新社)に連絡を取ったことで、ギリギリのところで偽物による出版は阻止されました。この一連の騒動がなければ、私たちが目にしていたのは、本物の作者の意図が全く反映されていない、偽りの予言書だったかもしれないのです。このエピソードは、ネット時代の匿名性が生んだ情報の歪みと、その危険性を浮き彫りにしています。

2-3. 「不安を煽るのが目的ではない」著者が本当に伝えたかったメッセージとは何か

自身の予言が人々の恐怖の対象となり、「不安を煽るな」「予言ビジネスだ」といった批判に晒されたことに対し、たつき諒さんは一貫して「私の目的は、けっして不安や恐怖をあおるつもりはありません」と主張しています。

では、彼女が本当に伝えたかったメッセージとは何だったのでしょうか。それは、『私が見た未来 完全版』の解説部分に明確に記されています。

「事前に準備をしておいたことで多くの命が助かり、速やかに復興に向かって人々が活き活きと暮らしている、明るい未来像も同時に見えたのです」
「大切なのは、準備をすること。災難の後の生き方を考えて、今から準備・行動しておくことの重要さを改めて認識してほしいのです」

つまり、彼女が見た夢は破滅のビジョンだけではなく、それを乗り越えた先にある「輝かしい未来」もセットだったのです。彼女の真意は、破滅を予言して人々を恐怖に陥れることではなく、災害という厳しい現実を直視し、それに備えることで被害を最小限に食い止め、より良い未来を創造することの重要性を訴える点にあります。この視点は、過去の終末予言が恐怖を煽るだけで終わっていたのとは対照的です。彼女のメッセージは、恐怖の予言ではなく、むしろ希望への行動を促す「啓発」に近いものだと言えるでしょう。

2-4. 『私が見た未来』出版の不本意な経緯と自費出版に至った理由

『天使の遺言』で明かされたもう一つの驚くべき事実は、『私が見た未来 完全版』の出版プロセスそのものが、彼女にとって不本意な点があったということです。

たつき諒さんは、なりすましの出現という緊急事態を受け、非常に短期間で『完全版』の出版準備が進められたと告白しています。その結果として、「結果的に出版社の意向中心で出版されてしまったことに、不本意な思いもありました」と、率直な胸の内を明かしているのです。これは、センセーショナルな帯の文句や「7月5日」という日付の記述が、売上を重視する出版社の編集方針によって強くプッシュされた可能性を示唆しています。

『完全版』のヒット後、複数の大手出版社から次回作のオファーがあったそうですが、彼女はそれらを断り、あえて「自費出版」という道を選びました。その理由について、「どの出版社も売れる本を出したいのですから、『それだと売れない。こうしたほうが売れる』というような商業主義的な作品づくりになりがちです。私としては…自分が納得できる内容を残したいと考えていました」と述べています。

この決断は、出版社の商業主義に翻弄されることなく、自身の体験やメッセージを純粋な形で後世に残したいという、作家としての強い矜持の表れです。この出版の裏側を知ることで、私たちは予言ブームという現象を、単なる情報の受け手としてではなく、それが生み出される構造ごと理解することができるようになります。

3. たつき諒さんの予言は当たる?外れた?的中率と信憑性を徹底検証

「で、結局のところ、たつき諒の予言は当たるのか?」――これが多くの読者の皆様が抱く最も根源的な疑問でしょう。予言の信憑性を測る上で、過去の実績は重要な判断材料となります。しかし、そこには情報の取捨選択や解釈による「バイアス」が大きく影響します。ここでは、世間で「当たった」とされる予言と「外れた」とされる予言を客観的に比較し、的中率90%という噂の真偽を含めて、その信憑性を冷静に検証していきます。

3-1. 【当たった予言一覧】東日本大震災から著名人の死まで、驚愕の一致点

たつき諒さんの予知能力を語る上で、避けて通れないのが、実際に起きた出来事との驚くべき符合です。特に以下の事例は、彼女の予言が多くの人々に信じられる根拠となっています。

予知夢の内容と日付実際に起きた出来事考察・特記事項
「大災害は2011年3月」 (1999年の単行本表紙)2011年3月11日 東日本大震災発生これが最大の的中例とされています。「2011年」という年と「3月」という月がピンポイントで一致しており、単なる偶然と片付けるには難しい事例です。この実績が、2025年予言の信憑性を飛躍的に高めました。
世界的ロック歌手の死 (夢を見た日: 1976年11月24日)1991年11月24日 フレディ・マーキュリー死去夢の中でクイーンのボーカルが亡くなるニュースを見たとされています。驚くべきは、夢を見た日付と、15年後にフレディが亡くなった日付が「11月24日」で完全に一致している点です。
ダイアナ元妃の事故死 (夢を見た日: 1992年8月31日)1997年8月31日 ダイアナ元妃が交通事故で死去「DIANNA」という文字と、車が事故に遭うようなビジョンを見たとされています。こちらも夢の日付と命日が「8月31日」で一致。ただし、作者自身は「亡くなるというイメージは全くなかった」と述べており、死を直接予言したわけではないとしています。後付けの解釈の側面も否定できません。
神戸に亀裂が入る夢 (夢を見た日: 1995年1月2日)1995年1月17日 阪神・淡路大震災発生具体的な地名である「神戸」というキーワードが含まれていた点が特徴です。夢を見てからわずか15日後に現実になったとされており、その即時性も衝撃を与えました。

これらの事例、特に日付や具体的な地名までが一致するケースは、超常的な現象の存在を信じさせるに十分な説得力を持っています。しかし、これらの鮮烈な成功例の影で、語られていない「外れた予言」も存在することを忘れてはなりません。

3-2. 【外れた予言・偽情報一覧】富士山噴火はいつ?「なりすまし」が語ったデマを特定

輝かしい的中例がある一方で、現実化していない予言や、そもそもたつき諒さん本人の発言ではないデマ情報も数多く出回っています。これらを明確に区別することが、予言との冷静な向き合い方には不可欠です。

  • 富士山噴火の予言:
    たつき諒さんは著書の中で、1991年8月20日に富士山が噴火する夢を見たことを記しています。これが「外れた予言」の代表例として挙げられます。しかし、彼女自身はこの夢について「象徴的な夢であり、大規模な災害にはならないと考えている」と補足しており、破局的な噴火を予言したわけではありませんでした。問題なのは、前述した「なりすまし」がこの情報を悪用し、「2021年8月20日に富士山が大噴火する」と断定的なデマ情報を流布したことです。もちろん、この偽の予言は現実にはなりませんでした。
  • 尾崎豊さんの死の予言:
    一部のネット情報で、歌手の故・尾崎豊さんの死を予言していた、という話が見られますが、これも「なりすまし」が作り出した完全なデマです。たつき諒さん本人の著作や発言の中に、そのような記述は一切存在しません。
  • その他の偽情報:
    阪神・淡路大震災についても、「なりすまし」が後付けで具体的な予言があったかのように語ったケースが見られます。このように、有名な災害や事件に便乗し、後から予言があったかのように見せかけるデマ情報には特に注意が必要です。

3-3. 的中率90%説は本当?その根拠と信憑性についての考察

「たつき諒の予言の的中率は90%」――一部のウェブサイトやSNSで、このような驚異的な数字がまことしやかに語られています。しかし、冷静に考えれば、この数字がいかに非科学的であるかがわかります。この「90%」という数字には、残念ながら明確な統計的根拠は一切ありません。

では、なぜこのような高い的中率のイメージが生まれるのでしょうか。それは人間の心理的な「確証バイアス」が大きく影響しています。人々は、自分の信じたい情報を集め、それに合わない情報を無視する傾向があります。たつき諒さんの予言の場合、「東日本大震災」というあまりに強烈な的中例があるため、人々は無意識のうちに他の的中例を探し、外れた例や曖昧な例は記憶から排除してしまうのです。

例えば、天気予報の的中率は「〇〇地方で降水確率90%」といったように、明確な定義と膨大なデータに基づいて算出されます。一方、予言の「的中」は、解釈の幅が非常に広く、後からこじつけることも可能です。「世界的な有名人が亡くなる」といった曖昧な予言は、いつか誰かが亡くなった時に「当たった」と言うことができます。したがって、「的中率90%」という言葉は、彼女の予言のインパクトを強調するためのレトリック(誇張表現)であり、客観的な事実として捉えるべきではありません。

3-4. 専門家や著名人はどう見ている?古市憲寿氏や科学者の見解まとめ

この社会現象に対し、様々な分野の専門家や著名人が見解を表明しています。それぞれの立場からの意見を知ることは、多角的な理解の助けとなります。

  • 科学的見地からの否定(気象庁・古市憲寿氏など):
    まず、科学者の立場は一貫しています。2025年6月13日、気象庁の野村竜一長官は定例会見で「現在の科学的知見では、日時と場所、大きさを特定した地震予知は不可能。そのような予知の情報はデマと考えられる」と明言しました。社会学者の古市憲寿さんも、物理学的な視点から予言内容の矛盾を指摘し、「あり得ない予言におびえるよりは、自治体が無料で公開しているハザードマップを見た方が有意義だ」と、極めて現実的な対応を呼びかけています。科学の世界では、予言は検証の対象にすらならない、というのが共通認識です。
  • 社会現象としての分析(ジャーナリスト・研究者):
    多くのジャーナリストや社会学者は、予言が「当たるか外れるか」ではなく、「なぜ人々がそれを信じるのか」という点に関心を寄せています。災害への潜在的な不安、先行きの見えない社会情勢、SNSによる情報の瞬間的な拡散などが、予言ブームの温床になっていると分析されています。
  • ポジティブな解釈(YouTuber・一部のファン):
    都市伝説系の人気YouTuberナオキマンさんは、たつき諒さん本人と対談した経験を踏まえ、「予言は回避するために存在する」という興味深い視点を提示しています。これは、「予言が多くの人に知られることで、人々の集合的な意識や行動が変化し、最悪の未来を避けられる可能性がある」という考え方です。予言を単なる恐怖の対象ではなく、未来をより良くするための警告としてポジティブに捉え直す見方であり、多くのファンに支持されています。

このように、立場によって予言の受け止め方は大きく異なります。重要なのは、科学的な事実と、人々の心理や社会的な解釈とを区別して考えることです。

4. 予言ブームの背景にある出版社「飛鳥新社」と編集長「花田紀凱」とは何者か?

花田紀凱 zakⅡ
花田紀凱 zakⅡ

ミリオンセラーとなった『私が見た未来 完全版』。この予言ブームは、果たして自然発生的なものなのでしょうか。それとも、その裏には巧妙な「仕掛け人」が存在するのでしょうか。ブームの背景を解き明かす鍵は、それを世に送り出した出版社「飛鳥新社」と、その出版活動に深く関わる編集長「花田紀凱(はなだ かずよし)」氏の存在にあります。ここでは、このブームの立役者たちの正体に迫ります。

4-1. 『私が見た未来 完全版』の出版社はどこ?飛鳥新社の会社概要と特徴

『私が見た未来 完全版』を出版したのは、1978年設立の「株式会社飛鳥新社」です。東京都千代田区に本社を置き、政治・社会評論からエンターテイメント、自己啓発書まで、非常に幅広いジャンルの書籍を手掛ける中堅出版社として知られています。

飛鳥新社の近年の代表作としては、雨穴(うけつ)氏による不動産ミステリー『変な家』シリーズが挙げられます。YouTube発のコンテンツを書籍化し、映画化にも繋がる大ヒットを記録したこの事例は、話題のトピックをいち早く捉えて書籍にする、同社の優れた企画力とマーケティング能力を象徴しています。

一方で、同社は明確な「保守系」の出版社としても認識されています。そのカラーを決定づけているのが、後述する花田紀凱氏が編集長を務める月刊誌『月刊Hanada』の存在です。政治・社会問題においては、一貫して保守的な論調の書籍が多く、その強いメッセージ性が同社の大きな特徴となっています。『私が見た未来』のようなオカルト・スピリチュアル系の書籍も、社会的な関心事として捉え、大きなムーブメントに仕立て上げる手腕は、飛鳥新社ならではと言えるでしょう。

4-2. 編集長・花田紀凱(はなだかずよし)氏のwiki風経歴と人物像

花田紀凱氏は、日本の出版界において、半世紀以上にわたり毀誉褒貶(きよほうへん)の激しいキャリアを歩んできた、まさに「伝説の編集者」です。彼の経歴を辿ることは、日本の雑誌ジャーナリズムの光と影を見ることに他なりません。

花田紀凱(はなだ かずよし)氏 プロフィール
生年月日1942年9月13日
出身地東京府(現・東京都)
学歴東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業
主な経歴
  • 1966年:株式会社文藝春秋に入社。『週刊文春』『文藝春秋』などで編集者としてのキャリアをスタート。
  • 1988年:『週刊文春』編集長に就任。数々のスクープを連発し、調査報道とスキャンダリズムを融合させた手法で、同誌を週刊誌発行部数トップへと押し上げる。女子高生コンクリート詰め殺人事件での加害者少年実名報道など、物議を醸す決断も下す。
  • 1994年:『マルコポーロ』編集長に就任。
  • 1995年:同誌に掲載したホロコースト否定記事が国際的な大問題となり、雑誌は廃刊(マルコポーロ事件)。花田氏も編集長を解任される。
  • 1996年:文藝春秋を退社。その後、朝日新聞社、角川書店などで複数の雑誌編集長を歴任するが、いずれも休刊に追い込まれる。この経緯から「雑誌クラッシャー」と揶揄される。
  • 2004年:ワック・マガジンズにて保守系論壇誌『月刊WiLL』を創刊し、編集長に就任。
  • 2016年:飛鳥新社へ移籍し、新たに『月刊Hanada』を創刊。現在に至るまで編集長を務める。
人物像過激な見出しと徹底した調査報道を組み合わせ、世論を動かすことを得意とする。歯に衣着せぬ発言で、保守派の論客としてテレビやネット番組にも多数出演。敵対する相手には容赦ない批判を加える一方、その功罪は常に議論の的となる、出版界の風雲児。

4-3. 花田氏が手掛ける『月刊Hanada』はどんな雑誌?その論調と主な執筆陣

現在、花田氏が全精力を注いでいるのが、飛鳥新社が発行する『月刊Hanada』です。この雑誌は「日本を元気にする滾る(たぎる)月刊誌」を標榜する、明確な保守・右派系の論壇誌です。

誌面の論調は極めて明快で、安倍晋三元総理を始めとする保守派政治家を称賛し、その政策を全面的に支持する一方で、朝日新聞に代表されるリベラル系メディアや野党、中国・韓国などに対しては、非常に厳しい批判を展開します。「安倍総理、かく闘えり」「朝日新聞、断末魔の悲鳴」「打倒!岸田『増税』政権」といった刺激的な見出しが毎号紙面を飾り、その戦闘的な姿勢を鮮明にしています。

主な執筆陣には、ジャーナリストの櫻井よしこさん、作家の百田尚樹さん、ジャーナリストの有本香さん、元産経新聞記者の門田隆将さん、経済学者の高橋洋一さんといった、テレビやネットでもお馴染みの保守派論客がずらりと並びます。この執筆陣の顔ぶれからも、雑誌がどのような読者層に支持されているかが明確に見て取れます。『私が見た未来』の予言ブームとは一見、ジャンルが異なるように見えますが、その発行元がこのような強い政治的色彩を持つ雑誌を手掛けているという事実は、ブームの背景を考察する上で重要なポイントとなります。

4-4. 文藝春秋時代から「雑誌クラッシャー」の異名まで、花田氏の功罪

花田紀凱氏の編集者人生は、まさに「光と影」「功罪相半ばする」という言葉がふさわしいものです。

「功」として最大のものは、『週刊文春』編集長時代の圧倒的な成功です。彼は「文春砲」という言葉が生まれる遥か以前から、政治家や芸能人のスキャンダルを徹底的に暴き、社会を動かす調査報道で雑誌ジャーナリズムの力を証明しました。彼の指揮のもと、『週刊文春』は社会に影響を与えるトップメディアとしての地位を不動のものにしたのです。

しかし、そのキャリアには常に「罪」として語られる大きな汚点が存在します。それが1995年の「マルコポーロ事件」です。ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を「なかった」とする記事を掲載したことで、世界中のユダヤ人団体から猛烈な抗議を受け、文藝春秋は雑誌の自主廃刊と花田氏の解任を決定せざるを得ませんでした。この事件は、表現の自由と歴史修正主義の境界を問う、出版史に残る大事件となりました。

文春退社後も、彼は朝日新聞社や角川書店で雑誌を立ち上げますが、いずれも長続きせず休刊。このことから「雑誌クラッシャー」という不名誉なレッテルを貼られました。成功と失敗、ジャーナリズムとスキャンダリズム、創造と破壊。これらの両極端な要素を併せ持つ花田氏の存在そのものが、今回の予言ブームに複雑な深みを与えているのかもしれません。

5. 花田紀凱氏と旧統一教会・幸福の科学との関係性の噂とは?

たつき諒さんの予言ブームを掘り下げていくと、避けては通れないのが、発行のキーパーソンである花田紀凱氏と、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)や幸福の科学といった特定の宗教団体との関係性をめぐる噂です。このセクションは非常にデリケートな問題を扱いますが、憶測や断定を避け、あくまで客観的に報じられている事実や公然の情報を整理し、中立的な立場からその関係性を分析・考察します。

5-1. 『月刊Hanada』が旧統一教会を擁護?具体的な記事内容と論調を分析

花田氏と旧統一教会の関係が取り沙汰される最も直接的な理由は、彼が編集長を務める『月刊Hanada』が、2022年7月の安倍晋三元総理銃撃事件以降に展開した、極めて明確な「旧統一教会擁護」の論陣にあります。

事件をきっかけに、メディアが一斉に旧統一教会の霊感商法被害や政治家との癒着を批判する中、『月刊Hanada』は全く逆の論陣を張りました。その象徴が、2022年10月号で組まれた**「総力特集 統一教会批判は魔女狩りだ!」**です。この特集では、以下のような記事が掲載されました。

  • 小川榮太郎「“安倍貶め報道”は仕掛けられた歴史戦」
  • 藤原かずえ「○○(起訴された男の姓)“礼讃”の報道テロリズム」
  • 世界日報取材班「デマを拡散させる石垣のりこ立民議員の居直り」
  • 佐藤優「旧統一教会問題と日本共産党」

これらの記事は、教団への批判を「左翼メディアによる不当な攻撃」と位置づけ、問題をすり替える論調で一貫しています。さらに衝撃的なのは、2022年11月号で教団の広報・渉外局長である鴨野守氏自身の論文「統一教会信者が告発!『魔女狩り報道』はこうして作られる」を掲載したことです。これは、批判されている当事者の一方に、誌面というプラットフォームを丸ごと提供するに等しい行為であり、ジャーナリズムの中立性から大きく逸脱しているとの批判を浴びました。

その後も、教団側の主張に沿う形で解散命令請求を「宗教弾圧」と批判したり、事件の犯人を単独犯とすることに疑問を呈する記事を掲載し続けたりするなど、その擁護姿勢は一貫しています。この異様なまでの肩入れが、「両者の間に特別な関係があるのではないか」という疑念を生む最大の要因となっています。

5-2. ネット上で指摘される花田氏と旧統一教会、幸福の科学との関係とは何か

『月刊Hanada』の明確な編集方針に加え、花田氏個人の過去の言動や接点も、特定宗教団体との関係を推測する材料として挙げられています。

  • 旧統一教会との関係:
    誌面での擁護だけでなく、花田氏は過去に、自身が主宰するネット番組「言論テレビ」に、旧統一教会の機関紙である「世界日報」の編集局長・藤橋進氏をゲストとして招き、対談しています。その中で、藤橋氏が『月刊Hanada』に寄稿した記事の宣伝も行いました。また、ニュースサイト「現代ビジネス」におけるジャーナリスト斎藤貴男氏との対談(2022年9月)では、「僕は『世界日報』を忌避していない。スクープを取ってくる腕のいい記者がいる右派新聞だと認識している」と公言しており、教団系メディアに対して親和的な姿勢を隠していません。
  • 幸福の科学との関係:
    幸福の科学との接点としては、2015年5月に、同教団の政治団体「幸福実現党」党首の釈量子さんが、いわゆる「慰安婦」資料の登録取り消しを求めてユネスコ本部に反論書を提出した際、花田氏がその活動の賛同人として名前を連ねた事実があります。また、幸福の科学の創始者である大川隆法総裁は、2013年頃に花田氏の守護霊を呼び出したとする『「週刊文春」と「週刊新潮」の守護霊が語る”メディアの未来”』と題する霊言本を出版しています。これは、大川総裁側が花田氏を出版界の重要人物として強く意識していたことを示しており、両者の間に何らかの相互認識があったことがうかがえます。

これらの事実は、花田氏が特定の宗教団体と「思想的に近い」あるいは「ビジネス上の利害が一致する」関係にある可能性を強く示唆するものです。

5-3. 「予言ブームは意図的に作られた?」陰謀論が生まれる背景を考察

こうした花田氏や出版社の背景から、一部では「たつき諒さんの予言ブームは、周到に仕組まれたものではないか」という、いわゆる陰謀論的な見方が広がっています。なぜ、このような見方が生まれるのでしょうか。その背景には、いくつかの複合的な要因が考えられます。

  1. 出版社の商業戦略:
    まず、最も基本的な要因は出版社の商業的動機です。『変な家』のヒットでも見せたように、飛鳥新社はネットで話題のコンテンツを商業的成功に結びつけるのが得意です。「東日本大震災を予言した幻の漫画」というストーリーは、商業的に極めて魅力的であり、ミリオンセラーを狙うための強力な武器でした。
  2. 思想的な共鳴と敵の共有:
    花田氏が率いる『月刊Hanada』と、旧統一教会や幸福の科学が展開する政治活動には、「反リベラル」「反共産主義」「伝統的価値観の擁護」といった思想的な共通点が多く見られます。共通の「敵」(朝日新聞などのリベラルメディアや左派勢力)を持つ者同士が、互いの活動を支持・利用し合うという構図は、自然に生まれ得ます。予言というオカルト的なテーマも、既存の科学や権威へのアンチテーゼとして、こうした層に受け入れられやすい側面があります。
  3. 情報の不透明性と人々の不信感:
    作者のたつき諒さん自身が「不本意な出版だった」「なりすましがいた」と告白しているように、このブームの裏側には不透明な部分が多く、公式発表だけでは納得できない「何か」があると感じる人が少なくありません。こうした情報の非対称性や不信感が、「裏で誰かが糸を引いているに違いない」という陰謀論の格好の土壌となるのです。

つまり、このブームは「誰かが100%意図的に作った」というよりは、出版社の商業的野心、編集者の持つ思想、そして社会全体の漠然とした不安感が複雑に絡み合い、結果として特定の方向に増幅されていった現象と捉えるのが、より現実に近い分析ではないでしょうか。

5-4. 中立的な立場で見る、一連の情報の信憑性と注意点

花田氏と特定団体との関係性をめぐる情報を扱う上で、私たちはジャーナリストとして、そして一人の情報受信者として、極めて慎重な態度を保つ必要があります。以下の点を常に念頭に置くべきです。

  • 事実と解釈を混同しない:
    『月刊Hanada』が旧統一教会を擁護する記事を掲載したことは「事実」です。しかし、それが「花田氏が教団から資金提供を受けている」という「解釈」や「憶測」に直結するわけではありません。事実を基に多角的な可能性を考えることは重要ですが、根拠のない断定は避けるべきです。
  • レッテル貼りの危険性:
    「〇〇と関係があるから悪だ」という短絡的なレッテル貼りは、思考停止を招きます。重要なのは、どのような関係性があり、その結果として社会にどのような影響(良い影響も悪い影響も含む)を与えているのかを、具体的な事象に基づいて冷静に分析することです。
  • 情報源の信頼性を吟味する:
    特にネット上の陰謀論は、伝聞や憶測が幾重にも重なり、元の情報源が不明確なものが大半です。公的な記録、当事者の公式な発言、信頼できる報道機関による一次情報など、確かなソースに基づいて判断する姿勢が不可欠です。私たちがアクセスできるのは断片的な情報であり、すべての真相を解明することは困難です。

結論として、現時点で言えるのは、花田氏や飛鳥新社と、旧統一教会や幸福の科学との間には、思想的な親和性や、互いの活動にとって有益となる協力関係が存在する可能性は高い、ということです。しかし、それが今回の予言ブームを完全にコントロールしたと断定するには証拠が不足しています。読者の皆様には、一方的な情報に流されることなく、常に「本当か?」「別の見方はないか?」と自問しながら、この複雑な現象と向き合っていただくことを願います。

6. 旧統一教会・幸福の科学とは?社会的な問題点をわかりやすく解説

たつき諒さんの予言ブームの背景を読み解く上で、関連が噂される「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)」と「幸福の科学」という二つの宗教団体について、基本的な知識を持っておくことは非常に重要です。これらの団体がどのような歴史を持ち、どのような教えを説き、そしてなぜ時に社会的な論争の的となるのか。ここでは、特定の価値観を押し付けることなく、あくまで中立的かつ客観的な情報として、その概要と問題点を分かりやすく解説します。

6-1. 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の概要と歴史、主な教義

旧統一教会は、安倍元総理の銃撃事件を機に、その特異な教義と政治との深い関わりが改めて日本社会に大きな衝撃を与えました。

  • 概要と歴史:
    正式名称は「世界平和統一家庭連合」。1954年に文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が韓国で創設した、キリスト教から派生した新宗教です。創設当初から「反共産主義」を強力に掲げ、冷戦下の韓国で政府の庇護を受けながら勢力を拡大。日本では1960年代から布教を開始し、1968年には政治団体「国際勝共連合」を設立しました。この団体を通じて、自民党の岸信介元総理をはじめとする保守派政治家と密接な関係を築き、選挙支援などを通じて政界に深く浸透していったとされています。
  • 主な教義:
    独自の聖典『原理講論』に基づいています。その核心は、人類の始祖アダムとエバが堕落し、サタン(悪魔)の血統を受け継いでしまったという「堕落論」です。この罪を清め、神の血統に復帰する唯一の方法が、創始者の文鮮明氏と妻の韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏を「真(まこと)の父母」として信じ、彼らがマッチングを行う「合同結婚式(祝福)」を受けることだと説きます。また、「日本は過去に韓国を侵略したエバ国家(罪深い国)であり、アダム国家である韓国に献金や奉仕をすることでその罪を償わなければならない」という反日的な贖罪意識を植え付ける教えも、日本人信者からの多額の献金を集める上で重要な役割を果たしました。
  • 社会問題化した点:
    1980年代から、先祖の因縁や不幸を説いて不安を煽り、高額な壺や多宝塔、印鑑などを売りつける「霊感商法」が深刻な社会問題となりました。全国霊感商法対策弁護士連絡会によれば、1987年から2021年までの被害総額は約1237億円に上ります。また、信者からの高額献金による自己破産や家庭崩壊、信仰を巡る親子間の断絶、信仰2世が抱える問題なども長年にわたり指摘されてきました。2022年の事件後、これらの問題が再燃し、2023年10月、日本政府はついに宗教法人法に基づく解散命令を東京地方裁判所に請求するに至りました。

6-2. 幸福の科学の概要と歴史、主な教義

幸福の科学は、創始者・大川隆法氏のカリスマ性と、出版・映画・政治など多方面にわたる活動で、短期間に大きな知名度を得た日本の新宗教です。

  • 概要と歴史:
    1986年、東京大学法学部卒・大手商社勤務というエリート経歴を持つ大川隆法氏によって設立。設立当初は「学習団体」を標榜し、知的好奇心の高い若者やビジネス層を中心に支持を広げました。1991年に宗教法人として認証されると、マスメディアを駆使した大規模な広告戦略で一気に知名度を上げ、信者数を急増させました。2009年には政治団体「幸福実現党」を結成し、国政選挙に多数の候補者を擁立するなど、政治への強い関与も特徴です。
  • 主な教義:
    信仰の対象は、地球の至高神である「エル・カンターレ」であり、大川隆法氏こそがその本体意識が地上に現れた存在(現代における仏陀)であるとされています。教義の最大の特徴は、大川氏があらゆる霊的存在(イエス・キリスト、ムハンマドといった宗教家から、存命中の政治家や芸能人の守護霊、さらには宇宙人まで)を自らの体に呼び出し、その言葉を語るとされる「霊言(れいげん)」です。この霊言は数千冊もの書籍として出版され、最新の時事問題に対する教団の見解を示すなど、教義の根幹をなしています。
  • 社会問題・論争となった点:
    1991年、教団に批判的な記事を掲載した講談社の週刊誌『フライデー』に対し、信者が組織的な抗議電話やFAX送付、多数の訴訟を起こした「講談社フライデー事件」は、メディアと新宗教の関係を問う象徴的な出来事となりました。また、本人の許可なく著名人の「守護霊霊言」を出版することから、肖像権や名誉毀損を巡るトラブルや、遺族からの抗議が絶えません。2015年には「幸福の科学大学」の設置を文部科学省に申請しましたが、「霊言を教育の根底に据えることは学問の要件を満たさない」として不認可処分を受けました。

6-3. なぜこれらの団体が論争の的となるのか?その理由を多角的に分析

旧統一教会と幸福の科学。教義や歴史は大きく異なりますが、両団体がしばしば社会的な論争の対象となる背景には、いくつかの共通点と、それぞれ固有の構造的問題が存在します。

論点旧統一教会(世界平和統一家庭連合)幸福の科学
金銭問題霊感商法や「万物復帰」の教義に基づく高額献金。被害額が巨額で、多数の裁判で違法性が認定されている。祈願料や植福(お布施)、書籍・グッズ購入など。信者の自主的な献金が主だが、金額が高額になるケースもある。
勧誘・教化正体を隠した勧誘、閉鎖的な環境での研修によるマインドコントロールが問題視されてきた。入会は比較的容易だが、階梯的なセミナーや学習を通じて徐々に教義を深めていくシステム。
政治との関わり「国際勝共連合」を通じて自民党保守派と長年密接な関係を築き、選挙支援などで影響力を行使してきたとされる。独自政党「幸福実現党」を設立し、直接的な政界進出を目指す。保守的な政治主張を展開。
教祖への依存度創始者・文鮮明氏を「再臨のメシア」とし、その言葉と決定が絶対視される、極めて中央集権的な構造。創始者・大川隆法氏を「エル・カンターレ」とし、日々生み出される「霊言」が教義となる、教祖一人に依存した構造。
固有の論争点霊感商法による深刻な経済的被害と家庭崩壊。反日的な教義と政治家との癒着の矛盾。「霊言」による第三者の無断使用とそれに伴う倫理的・法的な問題。大学不認可問題。

両団体に共通するのは、強力なカリスマを持つ創始者への絶対的な帰依と、政治への強い関心、そして信者からの資金集めのシステムです。これらの要素が、外部社会との間に摩擦や衝突を生み、論争の火種となってきました。これらの団体の構造を理解することは、たつき諒さんの予言ブームがなぜこれほど複雑な様相を呈しているのかを理解する上で、不可欠な視点と言えるでしょう。

7. 2025年7月の予言にどう向き合う?私たちにできること

たつき諒さんの予言は、信じる信じないにかかわらず、私たちの心に「未来への不安」という小さな種を蒔きました。この種を、いたずらな恐怖に育てるのか、それとも賢明な「備え」という果実に結びつけるのか。その選択は、私たち一人ひとりに委ねられています。ここでは、この社会現象に賢く向き合い、より良い未来を築くために今すぐできる具体的な行動を提案します。

7-1. 予言に惑わされないために。情報の真偽を見極めるリテラシーの重要性

現代は、まさに情報の洪水時代です。特にSNSや動画サイトでは、人々の不安や好奇心を煽ることで利益を得ようとする情報が、善意の情報よりも速く、広く拡散される傾向にあります。私自身もジャーナリストとして日々情報の渦の中にいますが、常に情報の真偽を冷静に見極める「情報リテラシー」を心掛けています。皆さんも、以下の点を意識するだけで、情報に振り回されるリスクを大幅に減らすことができます。

  • 一次情報にあたる習慣をつける:「〇〇というサイトに書いてあった」で思考を止めず、その情報元である本人の著作や、公的機関の発表に直接アクセスしましょう。今回のケースでは、『私が見た未来 完全版』や『天使の遺言』を実際に手に取ってみる、気象庁の公式サイトを確認する、といった行動がこれにあたります。多くの誤解は、情報の「切り取り」や「伝言ゲーム」の過程で生まれます。
  • 発信者の意図を考える:その情報を発信している人は、何を目的としているのでしょうか? 純粋な善意からでしょうか、それとも広告収入や特定の思想の普及が目的でしょうか。発信者の背景や利益構造を少し想像するだけで、情報の受け止め方は変わってきます。
  • 「知らない」ことを認める勇気:専門家でもない限り、私たちは地震のメカニズムや宗教問題のすべてを理解することはできません。分からないことに対して、知ったかぶりをしたり、安易な結論に飛びついたりせず、「現時点では判断できない」と保留する勇気も、現代を生きる上で重要なリテラシーです。
  • 感情と事実を切り分ける:「怖い」「不安だ」という感情は自然なものですが、その感情と「〇〇が起こる」という事実は別物です。感情的になっている時ほど、一度立ち止まり、客観的な事実(ファクト)は何かを確認する冷静さが求められます。

7-2. 予言を「防災意識を高めるきっかけ」と捉える前向きな姿勢

「予言が当たるか、外れるか」というギャンブルのような思考は、私たちを受動的で無力な存在にしてしまいます。しかし、この予言ブームを「自分自身の行動を変えるきっかけ」と捉え直すことで、私たちは能動的で力強い存在になることができます。

考えてみてください。たつき諒さんの予言があろうとなかろうと、日本が世界有数の災害大国であるという事実は何一つ変わりません。南海トラフ巨大地震や首都直下地震は、「明日起きてもおかしくない」と専門家が長年警告し続けている現実の脅威です。私たちは、遠い未来の不確かな予言に怯えるのではなく、すぐそこにある確かなリスクに備えるべきなのです。

この予言ブームは、多くの人々が「防災」という言葉を意識する、またとない機会を提供してくれました。恐怖は行動を麻痺させますが、備えは安心を生みます。この予言を、漠然とした恐怖の対象から、具体的な安心への第一歩へと転換させる。その前向きな姿勢こそが、この社会現象から私たちが得られる最大の価値と言えるでしょう。

7-3. 今からでもできる災害への備えリスト(食料、水、避難経路など)

「備えよう」という意識が高まった今こそ、具体的な行動に移すチャンスです。防災準備は「いつかやろう」と思っていると、永遠に後回しになってしまいがちです。以下のリストを参考に、ご家庭で「防災チェックデー」を設けて、一つずつ確認・実践してみてください。

カテゴリー具体的な備え実践のポイント
命を守る行動家具の固定・配置見直し寝室には背の高い家具を置かない、家具をL字金具で壁に固定する、食器棚の扉に開き止めをつけるなど、家の中を「安全地帯」にすることが最も重要です。
避難経路とハザードマップの確認自治体のウェブサイトでハザードマップを入手し、自宅や職場、学校の浸水リスクや土砂災害リスクを確認。安全な避難場所とそこへ至る複数の経路を家族全員で歩いて確認しておきましょう。
ライフライン停止への備え食料・水の備蓄(ローリングストック)最低3日分、できれば1週間分を備蓄。普段から食べている缶詰やレトルト食品、カップ麺などを少し多めに買い、古いものから消費して新しいものを買い足す「ローリングストック法」なら、無理なく備蓄できます。
簡易トイレと衛生用品災害時に最も困るのがトイレです。断水しても使える携帯トイレや凝固剤を、1人1日5回×7日分を目安に準備。ウェットティッシュや消毒用アルコールも必須です。
情報収集と連絡手段電源の確保スマートフォンが情報収集の要です。大容量のモバイルバッテリーや、電池式の充電器、手回し充電ラジオなどを準備し、定期的に充電・動作確認をしておきましょう。
安否確認方法の取り決め災害時には電話が繋がりにくくなります。「災害用伝言ダイヤル(171)」の使い方を練習しておく、SNSの特定のグループで連絡を取り合うなど、複数の安否確認手段を家族で決めておきましょう。

7-4. 経済的影響は?香港での旅行キャンセルなど社会的な波紋まとめ

私が見た未来 完全版 台湾 反響 ANN
私が見た未来 完全版 台湾 反響 ANN

この予言ブームは、私たちの心の内側だけでなく、実体経済にも確かな影響を及ぼし始めています。これは、情報が国境を越え、人々の消費行動を左右する現代社会の特性を如実に示しています。

最も顕著な例が、香港からのインバウンド(訪日外国人旅行)需要の落ち込みです。現地のインフルエンサーや風水師がたつき諒さんの予言を取り上げたことで、「2025年7月の日本は危険だ」という認識が広まり、日本行きのツアーキャンセルが相次ぎました。これを受け、香港の格安航空会社(LCC)である「グレーターベイ航空」は、需要の急減を理由に、2025年5月から10月にかけて仙台便や徳島便を減便すると発表。香港航空も一部路線の運休を決定するなど、航空業界に直接的な打撃を与えています。

この影響について、野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、2025年5月に発表したレポートで試算を行っています。香港からの訪日客が夏場に50%~75%減少し、中国や台湾、韓国など他の中華圏・アジア諸国にも影響が波及した場合、インバウンド消費額が半年間で約5,600億円も失われる可能性があると指摘しました。これは、科学的根拠のない一つの「噂」が、日本のGDPにも影響を与えかねない巨大な経済リスクとなり得ることを示しています。情報の力が、人々の心を動かし、ひいては経済をも揺るがす。私たちはそんな時代に生きているのです。

8. まとめ:たつき諒2025年7月予言の真相と今後の注目点

漫画家たつき諒さんが見た一つの夢から始まった「2025年7月大災難」説。それはSNSの波に乗り、国境を越え、人々の防災意識から経済活動に至るまで、実に様々な側面に影響を及ぼす一大社会現象となりました。この記事で多角的に検証してきた内容を、最後に総括し、私たちがこの現象から何を学び取るべきかを改めて考えます。

  • 予言の核心と作者の真意の変遷:
    予言の根幹である『私が見た未来 完全版』で描かれたのは、「2025年7月」に起きる大災難の夢でした。世間を騒がせた「7月5日」という具体的な日付は、作者が断定したものではなく、あくまで夢を見た日に由来する「仮説」に過ぎませんでした。そして、2025年6月に出版された新刊『天使の遺言』で、作者自身が「夢を見た日=何かが起きる日というわけではない」と明確に軌道修正を行ったことは、このブームを捉える上で最も重要な事実です。彼女が一貫して伝えたかったのは、恐怖ではなく「防災意識を高め、準備することの重要性」でした。
  • 信憑性と科学的根拠の不在:
    過去に東日本大震災の日付を「的中」させたとされる強烈な実績がある一方で、富士山噴火のように「外れた」予言や、そもそも本人の発言ではない「なりすまし」によるデマ情報も多く存在しました。「的中率90%」といった言説に科学的根拠はなく、気象庁や多くの専門家は「日時を特定した地震予知は不可能」と、予言の科学的妥当性を完全に否定しています。
  • ブームを増幅させた背景:
    この社会現象の裏には、ミリオンセラーを巧みにプロデュースした出版社「飛鳥新社」と、出版界の風雲児である編集長「花田紀凱」氏の存在がありました。さらに、『月刊Hanada』の編集方針などから、花田氏と旧統一教会や幸福の科学といった特定の団体との思想的な親和性を指摘する声も、ブームに複雑な深みを与えました。出版社の商業主義、編集者の思想、そして社会全体の漠然とした不安、これらが複合的に絡み合った結果、ブームは増幅されたと分析できます。
  • 私たちが取るべき賢明な態度:
    結論として、私たちがこの予言ブームから得るべき最大の教訓は、「不確かな未来への恐怖に時間を費やすのではなく、確かな現実のリスクに備えるために行動すること」です。予言の的中・不的中や、背景にある陰謀論に一喜一憂するのではなく、この社会的な関心の高まりを、自分や家族の命を守るための「防災準備」を見直す絶好の機会と捉えること。それこそが、最も賢明で建設的な向き合い方と言えるでしょう。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする


Warning: Trying to access array offset on false in /home/c8354837/public_html/matitodon.com/wp-content/plugins/siteguard/really-simple-captcha/siteguard-really-simple-captcha.php on line 353

Warning: Trying to access array offset on false in /home/c8354837/public_html/matitodon.com/wp-content/plugins/siteguard/really-simple-captcha/siteguard-really-simple-captcha.php on line 353

CAPTCHA


目次